Soler のライセンスを Elastic License 2.0(ELv2)に決めました。あわせて、コード貢献の受け入れルールとして Contributor License Agreement(CLA)を整備しています。
これまで README には AGPL v3 と記載していましたが、LICENSE ファイルを配置する前にあらためて検討し直し、ELv2 を選びました。この記事は、その判断の記録です。
どういうライセンスか
ソースコードは GitHub で公開しています。読む・自分の環境で動かす・改変する・フォークする。これらは自由です。
無料でできること:
- 自分自身または自社の会計処理のために利用すること(税理士・従業員・業務委託先など、必要な人にアクセスを提供することを含みます)
台数やユーザー数、売上規模による制限はありません。機能制限版もありません。公開されているコードが、動いているもののすべてです。
制限されるのは一点だけで、Soler をホスティングサービスとして第三者に提供する用途は許諾範囲外になります。この用途をご希望の場合は、別途パートナー契約をご相談ください。
なお、ELv2 は OSI(Open Source Initiative)の定義するオープンソースライセンスではありません。用途に制限があるためです。Soler は「オープンソース」ではなく「Source Available」なソフトウェアとして提供します。呼び方は変わりますが、コードが公開されていることに変わりはありません。
コードを公開しているのは、税法の解釈を私が間違えている可能性があるからです。会計処理をどう実装したかは、条文の読み方の選択そのものです。それを自分の中だけで正しいと決めてしまうより、見えるようにしておきたい。誤りの責任は私にありますが、誤りに気づく機会は多いほうがいい。
なぜ ELv2 にしたか
続けられる形にしておく責任
会計ソフトは、毎年使い続けるものとして選ばれます。青色申告の帳簿書類には7年(一部は10年)の保存義務があり、記帳は事業を続けるかぎり終わりません。
そして税制は毎年変わります。制度改正への追随が止まれば、そのソフトウェアはいずれ使えなくなる。エクスポートがあれば帳簿は持ち出せますが、乗り換えの手間は利用者が負うことになります。
だから、続けられる形にしておく責任があると考えました。
当初 AGPL v3 と書いていたのは、Soler を「個人が Docker で手元に立てて使うもの」としか考えていなかったからです。誰かがこれをホスティングして提供する、という可能性を想定していませんでした。
続けられる形を考えるうちに、その可能性が視野に入りました。AGPL はホスティング事業者に改変部分の公開を義務づけますが、それが守られているかを確認し続けることは、個人開発の規模では現実的ではありません。執行できない条項は、律儀な人だけを縛ります。ELv2 はホスティング提供そのものを許諾の外に置くので、少なくとも判断はできる。それだけの違いです。
私も個人事業主です
私自身、税理士に依頼する余裕がなくて自分で帳簿と向き合っている個人事業主です。Soler は、その立場で自分のために作り始めたものです。
開業した直後、クラウド会計の月額1000円を払うのがきつかったことを覚えています。だから、同じ状況にいる人からお金を取ろうとは思いません。
とはいえ、私が自分でサーバーを用意して無料で公開できるほどの余力もありません。そこで Soler は、利用者が自分の環境に立てて使う形にしました。Docker があれば手元の PC で動きます。サーバーを借りる必要も、月額を払い続ける必要もありません。帳簿のデータも、コードも、自分の手元にあります。
それでも、開発を続けるには収益が要ります。誰からも一円も受け取らずにやっていけるほど、状況は甘くない。
そこで線を引きました。自分の帳簿のために使う人からは、何も受け取りません。Soler を使って商売をする人からは、受け取ります。
ELv2 が制限するのは後者だけです。自分で立てて自分で使う自由、コードを読んで学ぶ自由、フォークして改変する自由は、そのまま残ります。
CLA について
コードのプルリクエストをお送りいただく際には、CLA への同意をお願いしています。
初回の PR 送信時に CLA ボットが案内するので、指示に従ってコメントするだけで完了します。署名や書類のやり取りは不要です。
CLA によって、貢献していただいたコードの著作権が移転することはありません。貢献者は引き続き自分のコードを自由に利用できます。
Issue でのご報告・ご提案は CLA の対象外です。お気軽にどうぞ。